2018 年 74 巻 5 号 p. I_879-I_887
日本は人口減少・高齢化が進んでおり,地方都市では生活サービス水準の確保のための市町村間ネットワークの構築が望まれている.その構築のためには市町村間で計画が整合していることが重要である.そこで本研究は市町村都市計画マスタープランにおける交通軸がどのような市町村間で整合していないのか,市町村間の関係や交通インフラ等に着目して把握することを目的とする.栃木県を対象に分析した結果,1) 鉄道を市町村間の交通軸として位置付けていない市町村が3割存在すること,2) 市町村間で位置付けが整合していない交通軸は3分の2程度存在すること,3) 計画が整合していない拠点間ほど公共交通が存在しない傾向にあること,4) 2桁及び3桁県道,市道,計画中の道路等において計画が整合していない傾向にあること,がわかった.