日本小児循環器学会雑誌
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症例報告
光干渉断層像(Optical Coherence Tomography)で肺血管病変を観察した 特発性肺動脈性肺高血圧症
早渕 康信阪田 美穂小野 朱美香美 祥二
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2014 年 30 巻 3 号 p. 365-370

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抄録

 特発性肺動脈性肺高血圧症の10歳男児例に光干渉断層像(optical coherence tomography:OCT)を用いて肺動脈病変を観察した.末梢肺動脈の内膜は0.18mm,中膜は0.19mmと,ともに肥厚しており,肺高血圧血管病理分類(ニース国際会議)における内膜および中膜肥厚を有する血管病変(Heath-Edwards分類II〜III)と考えられた.肺動脈圧は大動脈圧を凌駕していた.Epoprostenolによる急性肺血管反応性試験が不良であった肺循環動態は,OCTの所見に合致する結果であった.OCTは肺高血圧症の血管病変,重症度,治療戦略,予後の検討に有用であると考えられた.

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© 2013 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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