Journal of UOEH
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職業性尿路上皮癌の臨床的検討
濱崎 隆志荒巻 和伸日田 官稲富 久人藤本 直浩岡村 知彦小津 堅輔杉田 篤生
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1996 年 18 巻 4 号 p. 247-259

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抄録

某化学工場において芳香族アミンに曝露した既往歴があり, 検査対象者となった者は438名である.この中で1949-1995年の47年間に88名が尿路上皮癌を発症し, 発症率は20.1%であった.この88名の職業性尿路上皮癌患者の芳香族アミンに対する曝露期間は平均7.40年(0.75-26.75年)で, 発症までの潜伏期間は平均26.79年(1.33-48.50年)であった.また, 発症年齢は平均52.59歳(24-79歳)であり, 近年発症者の高齢化が進んでいる.初発, 再発例を含めた尿路上皮癌発見のスクリーニング方法として尿細胞診が非常に有用であった.対象88名の発症から現在に至るまでの問題点として, 再発率が69.3%と高率であること, さらに他臓器癌の合併率が9.1%と高率にみられたことが明らかにされた.現在でもなお尿路上皮癌の新患, 再発患者が生じている.職業性尿路上皮癌患者, そして未発症の曝露既往者については今後さらに長期間の経過観察が必要であることを再確認した.

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© 1996 産業医科大学
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