2015 年 24 巻 1 号 p. 32-39
難治性新皮質てんかんの外科治療の際, 発作焦点の同定のために頭蓋内脳波記録は有用であるが, 脳波の解析法や結果の解釈の相違により切除範囲や手術成績に影響が生じ得る. 今回, われわれは難治性の後頭葉てんかん患者に対して, 慢性頭蓋内電極を留置し, 高周波律動 (HFO) の解析を行った. 独自のプログラムを用いてHFOの脳表カラーマップを作成し, マップ上のHFOの出現部位を参考に切除範囲を決定して, 焦点切除術を行った. 術後1年経過した現在, 発作は完全に抑制されている. 脳表カラーマップは発作時HFOの動的変化の視覚化に有用であり, この結果に基づいてHFO検出部位を切除範囲に含むことが良好な術後成績に寄与するものと考えられた.