特発性腰椎硬膜外脂肪腫症はまれである.今回われわれは,外科治療を行った4例を経験した.4例の患者はすべて男性で,平均年齢は65.3歳,平均BMIは27.9kg/m^2,来院時JOAスコアは平均16.3/29点,病悩期間は平均35.0ヵ月あった.症状としては,馬尾性間欠性跛行をいずれの症例も呈していた.3例は他の腰椎変性疾患を伴っていた.MRIやCTMでのYサインは4例全例において認められ,1例においてdynamic myelographyが診断に有用であった.治療はすべて患者に椎弓切除による脂肪摘出が施行され症状の改善を認めたが,1例に7ヵ月後foraminotomyを追加した.特発性腰椎硬膜外脂肪腫症の診断には画像の詳細な検討が必要であり,外科的除圧術は症状の改善に有効と考えられた.