2022 年 78 巻 10 号 p. 1176-1186
【目的】本研究の目的は,低線量肺がんCT検診における三種類の臓器線量推定ソフトウェアから求めた臓器線量および実効線量の差を評価し,各線量とsize-specific dose estimates(SSDEs)間の相関を評価した.【方法】対象は低線量肺がんCT検診を受けた成人72名とし,各臓器線量推定ソフトウェアを用いて臓器線量および実効線量を算出した.臓器線量と実効線量のソフトウェア間の差および各線量とSSDEsの相関を評価した.【結果】臓器線量と実効線量はソフトウェア間で差を認めた.臓器線量はスキャン範囲内の臓器においてSSDEsと強い相関(r=0.833–0.995)を示した.実効線量はソフトウェア間で有意差を示したが,SSDEsと強い相関(r=0.830–0.970)を示した.【結語】臓器線量および実効線量はソフトウェア間で差を認めたが,SSDEsとの線形回帰式から両線量を推定できる可能性がある.