頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
上顎(鼻副鼻腔)
当院における嗅神経芽細胞腫31症例の検討
関水 真理子新橋 渉川端 一嘉三谷 浩樹米川 博之福島 啓文佐々木 徹瀬戸 陽北野 睦三小泉 雄神山 亮介蛯名 彩足立 充隆佐藤 由紀子高橋 俊二
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 43 巻 1 号 p. 8-12

詳細
抄録

嗅神経芽細胞腫はその発生頻度の稀さゆえに治療方法は確立していない。当院では2004年に三嶋らがcyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, 持続投与のcisplatin, etoposide(CADO-CVP)による導入化学療法が高い奏功率を得られていることを報告してから,2004年以降CADO-CVP療法を一次治療として用いる機会が増えている。今回1992年1月から2012年12月までに当院で一次治療を実施した嗅神経芽細胞腫31症例を対象とし導入化学療法実施群,非実施群に分類しretrospectiveに検討したので報告する。全体の5年粗生存率は82%で,5年無病生存率は53%であった。両群の5年無病生存率は,導入化学療法実施群では65%,非実施群では24%で統計学的に有意差を認めた。また治療後5年以上経過してから再発転移を来たした症例も4例認め,長期経過観察が必要であると考えられた。

著者関連情報
© 2017 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top