地下水学会誌
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遺伝的アルゴリズムを用いた多層帯水層地盤における揚水試験データの逆解析方法
竹下 祐二安井 克豊河野 伊一郎
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1997 年 39 巻 4 号 p. 313-325

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抄録

地下水の挙動を定量的に把握するためには、透水係数や貯留係数といった地盤の浸透特性値の精度良い計測が重要であり、その原位置計測手法としては揚水試験がよく用いられている。しかし、多層帯水層地盤等の複雑な地盤条件や試験条件下における揚水試験データの解析に対しては、従来の理論解法の適用は困難である。本文では、多層帯水層地盤にて実施された揚水試験データから多数の浸透特性パラメータを安定かつ簡便に算定する方法を提案する。遺伝的アルゴリズムは生物の進化の過程である自然淘汰・交叉・突然変異を模した多点探索法であり、組み合わせ最適化問題の近似解法の一つとして注目されている。本文で提案する方法の妥当性は、2層被圧帯水層地盤モデルにおける揚水試験のシミュレーションデータを用いて吟味し、各帯水層の透水係数の異方性および比貯留係数が同時に精度良く算定される結果を得た。

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