日本消化器外科学会雑誌
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特別報告
消化器外科医の労働環境について―アンケート解析―
味木 徹夫赤澤 宏平葉梨 智子上田 順彦内山 和久幸田 圭史杉山 政則夏越 祥次真船 健一丸橋 繁具 英成
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2015 年 48 巻 3 号 p. 282-290

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抄録

 外科医を取り巻く労働環境について,平成24年に本学会を含む外科系関連学会による合同アンケート調査を実施した.回答者のうち,消化器外科医は5,416名で,全回答者の65.1%と大多数を占め,長時間労働の実態を分析するに足る集団構成と考えられた.解析の結果,1週間の労働時間が55時間を越える消化器外科医師は74.5%と高率で,消化器以外の外科医の72.4%に比し高率であった.また,この割合は,大学病院や公的病院,病床規模の大きい病院,外科病床数の多い病院で特に高かった.勤務時間短縮の方策についてのアンケート回答では,医療事務支援の充実が最多で,化学療法・終末期医療などを他科へ依頼すること,メディカルスタッフ(看護師,薬剤師,技師)の支援充実などが続いた.以上より,消化器外科医療を魅力的なものにし,多くの若手医師が消化器外科に参入できるよう,これらの回答に基づいた提言を行った.

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