日本消化器外科学会雑誌
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胃癌術後単独脳転移の1例
久保 雅俊枝園 和彦小西 祐輔脇 直久葉山 牧夫宮谷 克也宇高 徹総水田 稔白川 和豊
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2008 年 41 巻 11 号 p. 1921-1926

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抄録

症例は75歳の男性で, 急性骨髄性白血病のため当院血液内科で化学療法を受け, 完全寛解状態であった. 今回, 貧血の精査のため行った上部消化管内視鏡検査にて胃体上部に進行胃癌を指摘され, D2郭清を伴う胃全摘術を施行した. 術後1年5か月目に人格変化, 嘔吐がみられ, 頭部MRIを施行したところ, 大脳半球に3個の転移性脳腫瘍を認めた. 胸腹部CT, 腹部超音波検査では転移を認めず, 腫瘍マーカーも正常であった. 白血病再燃による病変も否定できず, 脳腫瘍生検を行った. 病理組織学的診断は中分化型腺癌で, 胃癌の病理組織学的検査所見とも一致しており, 胃癌脳転移と診断した. 脳転移に対し, サイバーナイフを行ったところ, 臨床症状の改善を認め, 通院治療が可能となった. 5か月後, 新たな2個の脳転移に対し, 再度サイバーナイフの施行を要したが, 脳転移発症後1年経過現在, 胸腹部を含め無再発生存中である.

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