子宮内膜細胞採取器のオネストブラシと増淵式吸引チューブを用いて2,756例について比較検討を行い以下の成績を得た.
1) ブラシ法では吸引法より圧倒的に大量の内膜細胞採取が可能だった.
2) 標本上の赤血球の混入はブラシ法に多かったが, 読影が困難となるものはごくわずかだった.
3) 頸部由来細胞の混入はブラシ法の方が少なかった.
4) 標本の粘液による汚染や組織球の混入は, 両者の問でほとんど差が認められなかった.
5) パパニコロークラス分類において吸引法の方がブラシ法より低いクラスに診断されるものが一部の症例に認められた.
6) 内膜細胞診実施可能率は, 吸引法で91.8%, ブラシ法で95.5%と大きな差は認められず, 高齢層ではブラシ法の方が可能率が高かった.
7) ブラシ法施行に伴う痛みや出血はごく軽度のものが大部分を占め, 従来考えられていたほど大きな欠点とは考えがたい.
以上, オネストブラシはスクリーニングに用いる器具として非常に有用であると考えられる.