自然環境保全基礎調査の第6回(1999~2004年)・第7回(2005~2009年)植生調査では,11572地点で現地調査が行われ,それぞれの地点の植生に対して統一凡例が付与されている.この中から20地点以上で分布が確認されている53の森林群集・群落の空間情報を得た.次に,1kmメッシュで入手できるWI(温量指数),CI(寒さの指数),年降水量,最深積雪量,地質区分,最大傾斜角を説明変数としてMaxent解析を行い,それら群集・群落の分布決定要因を抽出した上で,潜在的分布域地図を描いた.そして,国によって進められ蓄積されてきている植生調査データの活用に係る展望と必要性について,意見を述べた.