臨床神経学
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症例報告
特発性視神経周囲炎の1例―本邦症例の文献レビューと問題点
竹丸 誠立山 佳祐志賀 裕二金谷 雄平下江 豊栗山 勝
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2017 年 57 巻 11 号 p. 716-722

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抄録

症例は64歳の女性である.10年前に視力低下を発症しステロイドで治療した.今回視力低下,視野障害で入院.MRIで視神経鞘が造影され,tram-track,ドーナツ様所見を認め視神経周囲炎(optic perineuritis; OPN)と診断した.高用量メチルプレドニゾロン(methylprednisolone; mPSL)によるステロイドパルス療法で著効したが,退院10日後に再燃し再入院.同様の治療後,経口プレドニゾロンによる後療法を行い再発なく2年が経過している.本邦の既報告,特発性16例,2次性14例の文献レビューを行った.2次性の全身疾患は多彩であった.再発は43%で,転帰は30%が不良で,重度の視力低下した症例も認めた.免疫抑制剤の追加も含め,適時適切な治療の選択が極めて重要である.

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© 2017 日本神経学会
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