臨床神経学
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短報
脊髄MRI上頸髄より腰髄にいたる脊髄内長軸伸展病変を認めた腎細胞癌脊髄転移の48歳男性の1例
野元 裕輔月江 友美栗田 正関 香奈子鈴木 仁山﨑 一人
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2016 年 56 巻 5 号 p. 348-351

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抄録

症例は48歳の男性.2014年7月,左腎細胞癌の根治手術受けた.5ヵ月後,Th10以下の感覚障害が出現,脊椎MRI T2強調像でC7からL1まで長軸方向に広がる髄内高信号病変を認め精査目的で入院した.症状は急速に進行し対麻痺に至った.ステロイドパルス療法は奏功しなかった.第24病日の造影MRIでTh8~9レベルに髄内腫瘤性病変を検出,腫瘤摘出術が施行され腎細胞癌脊髄内転移と診断された.術後のMRIでは髄内長軸伸展病変は消失,第112病日に軽快退院した.腎細胞癌の脊髄内単独転移は極めて稀であるが,MRI上髄内長軸伸展病変をみた場合,根治手術後であっても転移を疑う必要があると思われた.

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© 2016 日本神経学会
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