日本看護科学会誌
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総説
日本の訪問看護師の行う訪問看護実践における判断の概念分析
仁科 祐子長江 弘子谷垣 靜子
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2019 年 39 巻 p. 74-81

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抄録

目的:日本の訪問看護師の行う訪問看護実践における判断について定義することを目的とした.

方法:日本国内で発表された33文献を対象として,Rodgersの概念分析方法を用い分析を行った.

結果:4つの属性:【生活者としての対象をよく知る】【先を見通す】【対象者の生活に即したケアを共に考える】【対象者中心思考で熟考する】,3つの先行因子:【生活の場での看護の特徴】【専門職的判断への意志】【看護師個人の能力】,2つの帰結【判断の内容】【対象者に最適なケアの実施】が抽出された.

結論:日本の訪問看護師の行う訪問看護実践における判断は,対象者中心思考で熟考することを基盤とし,生活者としての対象をよく知り,先を見通しつつ,対象者の生活に即したケアを共に考えるプロセスである,と定義した.このプロセスにより対象者の状態,ケア,関わり方が決定され,対象者に最適なケアの実施に至る.

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© 2019 公益社団法人日本看護科学学会
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