2018 年 33 巻 1 号 p. 55-60
再発時77歳,女性。57歳時に左下腿の腫瘍(約5×3cm)を近医で全摘出し,病理で原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫と診断され当科紹介。骨髄生検やCT検査では異常を認めず,左下腿の術後創部の拡大切除術のみ施行し,それ以後経過観察を行った。77歳時に右第一趾後爪郭部にびらんが出現し,徐々に黒色壊死を伴う潰瘍を形成。6回目の皮膚生検で真皮深部血管周囲を中心に大型核を有するリンパ球の浸潤を認め,免疫染色の結果から皮膚未分化大細胞リンパ腫と診断。右鼠径リンパ節にも病変を認めた(T2cN1M0)。プレドニゾロン(PSL)とメトトレキサート(MTX)内服治療と局所の放射線治療を併用し腫瘍は著明に縮小したが,汎血球減少のためMTXを減量したところ再燃。PSLとエトポシド内服治療に変更し,再発なく3年経過している。