人間工学
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原著
同一運転者の自転車および自動車利用時の一時停止交差点通過行動の違い
中村 愛島崎 敢伊藤 輔石田 敏郎
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2015 年 51 巻 5 号 p. 351-357

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抄録

この研究の目的は,同一人物の自転車と自動車運転時の一時停止行動の違いを検討することと,自転車の一時停止行動の自己評価バイアスを検討することであった.20名の実験参加者は自転車と自動車で実路上の実験コースを走行した.実験コースには一時停止交差点が含まれており,一時停止行動を撮影し分析した.その結果,自転車運転時は自動車運転時に比べて,通過速度が速く,確認回数が少なく,合計確認時間が短かった.これらの違いは全て統計的に有意差があった.また,撮影した一時停止行動の映像を誰が運転しているかがわからないように加工し,実験参加者本人に見せた.実験参加者は映像の一時停止行動と普段の自分の一時停止行動を評価した.それらの評価の違いを比較した結果,自転車は自動車に比べて,一時停止行動の自己評価バイアスはあまり見られなかった.

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© 2015 一般社団法人 日本人間工学会
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