2019 年 68 巻 3 号 p. 474-476
大腿骨頚部骨折に対するTresLock(以下T群),Prima Hip Screw(以下P群)を用いた骨接合術の治療成績を比較検討した.対象は2016年8月から2018年3月に手術を行ったT群7例,P群16例である.平均手術時間はT群:43.1分,P群:24.9分で統計学的に有意差を認めた(P<0.001).Garden Alignment Index変化量や歩行再獲得率に有意差はなかったが,平均telescoping量はT群で少ない傾向を認めた.術後合併症はP群で大腿骨転子下骨折を2例認めた.2群間で統計学的な差があったのは手術時間のみであったが,T群でtelescoping量が少ない傾向を認めた.TresLockは強固な固定力があり,日本人の大腿骨頚部骨折に対して,有用な内固定材料であると考えられた.