整形外科と災害外科
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FDG-PETで高度集積を認めた褐色脂肪腫の一例
藤善 卓弥佐々木 裕美永野 聡齋藤 嘉信南曲 謙伍瀬戸口 啓夫谷口 昇
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2019 年 68 巻 3 号 p. 462-465

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抄録

【はじめに】褐色脂肪腫は褐色脂肪組織に由来するまれな軟部腫瘍であり,悪性軟部腫瘍,とくに脂肪肉腫との鑑別が問題となる.褐色脂肪腫はFDG-PETで高度集積を来すことが報告されており,脂肪肉腫との鑑別としてFDG-PETが有用であるとされる.【症例】40歳女性,4か月前より背部の腫瘤を自覚.MRI上,僧帽筋下に脂肪成分を含み造影効果を有する80mm大の腫瘤を認めた.FDG-PETにてSUV59.5→70.5と非常に強いFDGの集積を認めたため開放生検を施行し,褐色細胞腫と診断されたため辺縁切除術を施行した.術後2年の現在,再発もなく術後経過良好である.【考察】褐色脂肪腫は一般的にFDGの高度集積を来すことが報告されているが,なかにはFDGの集積が低い症例も報告されている.褐色脂肪に対するFDGの集積は外気温や薬剤による影響を受けやすく,注意が必要と考えられた.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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