2018 年 33 巻 p. 91-98
積雪寒冷地では,春先に自然斜面や切土・盛土のり面の崩壊が発生しやすく,崩壊箇所に対する応急・復旧対策として,特殊ふとんかごと呼ばれるのり面保護工が広く普及している.しかしながら,施工から長期間を経過した特殊ふとんかごの中には,大きく変形したり,背後斜面とともに崩壊するものも増えてきている.そこで本研究では,柔軟性の高いジオセルを活用したのり面保護工や,凍土域を貫いて打設する排水パイプとジオセルを組合せた斜面安定工を実物大の盛土斜面に構築し,凍結融解挙動や盛土内水位などの計測結果から.ジオセルサイズや中詰め材などの本工法に関する様々な仕様について検討した.