日本ハンセン病学会雑誌
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末梢神経障害防止を最重要課題としたハンセン病治療の方向性
日本におけるハンセン病の基本治療はどうあるべきか
畑野 研太郎松木 孝之牧野 正直
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1998 年 67 巻 2 号 p. 353-360

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抄録

バングラデシュにおけるハンセン病治療の前後における末梢神経障害率の変化を検討した。早期診断を行なっている優秀なプログラムにおいては、治療中に障害率はわずかながら改善されている。しかし、MBケースの初診時障害率は依然高い。また、MBケースの治療中には、72%の症例に神経炎を起こすエピソードが見られ、治療後2年以上の観察期間にも、15%の症例がこれらのエピソードを持つことが観察された。
 また、邑久光明園における最近10年の再燃例の中から、再々燃例の前回再燃時の投薬について検討した。これらの投薬方法では、おおむね一回投与量が少なく、長期投与がなされる傾向が見られた。RFPでは投与密度が高く、DDS・B663では投与密度が低い傾向があった。

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