日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
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症例報告
結腸狭窄をきたしたCronkhite-Canada症候群に対し外科的治療を施行した1例
河野 眞吾宮野 省三町田 理夫北畠 俊顕藤澤 稔児島 邦明
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2015 年 40 巻 2 号 p. 281-285

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抄録

症例は61歳の男性で,下痢を主訴に当院内科受診した.両下肢に色素沈着が出現し,脱毛も認めた.また,血中アルブミン値は1.8g/dl著明な低下を認めた.下部消化管内視鏡検査で上行結腸に狭窄を認めた.精査の結果,Cronkhite-Canada症候群と診断し高カロリー輸液による保存的治療を開始したが改善せず,腸閉塞,低アルブミン血症改善目的に拡大結腸右半切除術を施行した.術後経過は良好で,術後2年後内視鏡検査で残存結腸にpolypなく,血中アルブミンも正常範囲内である.保存的治療抵抗性のCronkhite-Canada症候群に対する手術治療が奏効した1症例を経験したので報告する.

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© 2015 日本外科系連合学会
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