日本透析医学会雑誌
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β2-ミクログロブリン吸着器リクセルS-15およびS-35の臨床検討 (多施設共同研究)
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2003 年 36 巻 2 号 p. 117-123

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抄録

β2-ミクログロブリン (β2-m) 吸着器リクセルを用いた透析アミロイドーシスに対する治療として, 充填容量350mL (S-35; プライミング容量177mL: 男29例, 女24例), 150mL (S-15; プライミング容量65mL: 男28例, 女38例) の2種について, 副作用軽減効果, 臨床効果, およびβ2-mの吸着除去性能を比較検討した. その結果, リクセルS-15の使用で副作用軽減効果 (発生率: S-35; 25%, S-15; 8%) を認め, 臨床効果に関してS-15はS-35と同等の関節痛の改善効果が期待できること, β2-m血漿クリアランスの大きい透析器を併用することでS-15使用時でもS-35使用時の90%程度のβ2-mの除去が可能であることが明らかになった. リクセルS-15使用で関節痛が悪化してS-35への変更が必要であった症例も一部認められたことから, 副作用のみられない症例にはS-35の使用が望ましく, 副作用により治療に支障をきたす症例に対しては, S-15は有用なデバイスであると考えられる.

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© 社団法人 日本透析医学会
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