日本臨床外科学会雑誌
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症例
術後11年で肝再発をきたした十二指腸GISTの1例
水藤 広吉村 清司尾崎 正彦大島 郁也角田 幸雄松原 久裕
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2015 年 76 巻 4 号 p. 768-773

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抄録

症例は60歳,男性で,49歳時に10cm大の膵腫瘍の診断で膵頭十二指腸切除を施行された.2011年8月,腹部超音波で肝S4に92×71mmの境界明瞭,内部不均一な腫瘤を認めた.CTでは,早期相で内部と辺縁に強い造影効果を認め,後期相では低吸収域であった.11年前に膵腫瘍で手術を施行していたため,標本を再検し,c-kit陽性を確認した.前回手術の診断はsolid-pseudopapillary tumorから十二指腸GISTに変更となった.十二指腸GIST術後11年目の肝転移再発の診断で肝S4部分切除を施行した.腫瘍は8×7cm,免疫染色で,c-kit(+),CD34(+)であり,GISTの肝転移と診断された.

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© 2015 日本臨床外科学会
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