日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝切除が有効であった胆嚢癌肉腫術後肝再発の1例
竹原 雄介春日井 尚日高 英二出口 義雄田中 淳一工藤 進英御子神 哲也大池 信之
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2011 年 72 巻 10 号 p. 2611-2615

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抄録

胆嚢癌肉腫は予後不良の悪性腫瘍として知られており,特に再発症例では長期生存は困難である.今回われわれは,いわゆる胆嚢癌肉腫の肝再発に対して肝切除を行い,約20カ月の無再発生存を得られている症例を経験したので報告する.症例は70歳代の男性で,近医で胆嚢結石症・急性胆嚢炎の診断にて,開腹胆嚢摘出術を施行された.術後の病理検査でいわゆる胆嚢癌肉腫と診断されたが,追加切除は希望されず経過観察していた.術後5カ月目のCT検査にて,肝内に不整形腫瘤を認め,当院紹介となった.当院での精査の結果,いわゆる胆嚢癌肉腫の術後肝再発と診断し,肝中央2区域切除・肝門部リンパ節郭清術を施行した.術後病理検査では,いわゆる胆嚢癌肉腫の肝再発の診断であった.肝切除後は現在まで約20カ月間無再発生存しており,治癒切除が可能と考えられる症例に対しては積極的に外科的切除を考慮すべきと考えられた.

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