日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
痔瘻の新分類―後方複雑痔瘻および低位筋間痔瘻を明確化した痔瘻分類
栗原 浩幸金井 忠男石川 徹金井 慎一郎石川 啓一張 文誠
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2008 年 61 巻 8 号 p. 467-475

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抄録

目的: 低位筋間痔瘻および後方複雑痔瘻を,解剖学的知見をもとに明確化し,肛門診療で基準となる痔瘻分類を示す.会陰骨盤間隙: 会陰骨盤間隙を皮下·粘膜下隙(IL·IH,境界は歯状線),低位·高位括約筋間隙(IIL·IIH,境界は歯状線),肛門周囲隙(IIL),坐骨直腸窩(III),肛門挙筋上隙(IV)に分ける.さらに坐骨直腸窩を低位と高位に区分する(IIIL·IIIH).坐骨直腸窩には脈管·神経を含む結合組織からなる坐骨直腸窩中隔が存在するためである.一方,肛門後方正中部には特別な部位が存在する.そのうち,前方を内括約筋,上方を肛門挙筋の下面,下方と側方を外括約筋の前面に囲まれた部位を後方深部隙(IIIP),前方を深外括約筋の後面,上方と下方を浅外括約筋で囲まれている部位をCourtney腔(III Courtney)とする.分類: 痔瘻の進展形式により,皮下·粘膜下痔瘻,低位·高位筋間痔瘻,低位·高位坐骨直腸窩痔瘻,後方深部痔瘻,肛門挙筋上痔瘻に分類する.

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© 2008 日本大腸肛門病学会

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