日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
EORTC Colorectal Cancer-specific Quality of Life Questionnaire Module (EORTC QLQ-CR38) 日本語版の信頼性と妥当性の検討
角田 明良保田 尚邦中尾 健太郎横山 登神山 剛一丸森 健司吉澤 康男草野 満夫橋本 英樹
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キーワード: 大腸癌, 信頼性・妥当性
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2007 年 60 巻 2 号 p. 69-76

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抄録

European Organization for Research and Treatment of Cancer QLQ-CR38日本語版 (CR38J) を開発し, その信頼性と妥当性に関する検討を行った. CR38Jは38の項目より成り, 4つの機能尺度と8つの症状尺度が評価される. 大腸癌患者81例を対象に4回の調査を行った. 調査は治療前とその1~2カ月後, さらにその3カ月後に行われた. 再現性の検討のために3回目調査の1週間後に4回目の調査を行った. Multitrait scaling analysisでCR38Jの良好な構成妥当性が示された. Cronbach's α係数は9つのうち7つの尺度で, 1, 2回目調査の少なくとも1回は0.7以上であった. 再現性は機能尺度では良好であるが, 症状尺度では半数で不良であった. Known-groups comparisonでは病変部位, PS, stomaの有無でスコアに有意差のある尺度が認められた. 以上の結果によりCR38Jは良好な信頼性と妥当性を有することが示唆された.

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© 2007 日本大腸肛門病学会

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