1978 年 27 巻 11 号 p. 636-641
天然存在比ニッケルの40MeVのαおよび3He照射による61Cu, 62Znの生成について, 生成断面積, 厚いターゲットに対する収率を求め, 放射化学的純度を考慮して最適照射条件を検討した。収率に関するかぎり, 61Cu, 62Znの生成にはα照射がすぐれていることがわかった。61Cuの生成については, α粒子の入射エネルギーを21MeV, ターゲット厚を73mg/cm2とするとき, 2.4時間の冷却後2.1mCi/μA・hの収率があり, おもな混入核種である60Cuを1%以下におさえることができた。62Znについては, α粒子の入射エネルギーを35MeV, ターゲッ恥厚を57mg/cm2とすると, 97.5μCi/μA・hの収率が得られ, 照射終了後12時間経たとき最も放射化学的純度が高くなることがわかった。また, 陰イオン交換樹脂カラムを用いて, 62Cuを62Znのミルキングによって純度良く得ることができた。