雑草研究
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カラスビシャクの抽だいと結実に関する2, 3の実験
長尾 弓郎
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1980 年 25 巻 2 号 p. 93-97

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抄録

1. カラスビシャクの抽だいは球茎の大きさによって差異のあることが認められた。また抽だい期間は5月から9月中旬ごろまでであるが, 抽だい率の高いのは6月であった。球茎が4g以上になると1球茎から同時に2本以上の抽だい茎のみられる場合もあった。
2. 結実率は, 6月に抽だい開花したものが最も高く, 結実期としては8月が最も多い。結実率を総抽だい茎数と総結実数から求めると, 1g以上の球茎ではほとんど差異がなく, 15~16%を示した。
3. 球茎の抽だい率は植付深度が深くなるにつれて低くなり, 地下20cmになると全く抽だいしなかった。
4. 1花序中に形成される種子数は3から42粒までの幅広い変異が認められ, 平均は19粒であった。また100粒重も200mgから1,200mgという幅があり, 平均685mgを示した。これらの種子の発芽率を7月および8月播きで検討したところ, それぞれ34.5%, 56.2%であった。種子重と発芽率との間には相関は認められなかった。

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