食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
報文
沖縄県沿岸に分布する腐肉食性および肉食性巻貝の毒性と毒成分
谷山 茂人高谷 智裕反町 太樹相良 剛史久保 弘文大城 直雅小野 要肖 寧橘 勝康荒川 修
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 54 巻 1 号 p. 49-55

詳細
抄録

2009年1~6月に沖縄県沿岸で採集した小型巻貝8科15種計64個体のうち,5種にマウス毒性が認められた.このうち,キンシバイの毒力は総じて高く,筋肉で最高461 MU/gに達した.その他の4種(サツマビナ,ヘコミマクラ,イボヨフバイ,カゲロウヨフバイ)の毒力はおおむね10 MU/g前後であった.LC-MS分析により,有毒個体の毒の主体はいずれもTTXで,キンシバイではこれに加えて4,9-anhydroTTX,4-epiTTX,11-oxoTTXを含むことが示された.また,アワムシロの可食部からもTTX(5.08 MU/g)が検出された.一方,残りの9種には,マウス毒性もTTXも全く認められなかった.

著者関連情報
© 2013 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top