食品衛生学雑誌
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調理用PVC製手袋使用規制後における市販弁当中のフタル酸エステル類及びアジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)濃度
津村 ゆかり石光 進中村 優美子吉井 公彦開原 亜樹子外海 泰秀
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2001 年 42 巻 2 号 p. 128-132

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抄録

調理用PVC製手袋の使用が規制されて2か月経過した2000年8月に,市販弁当(いわゆるコンビニ弁当)10検体中のフタル酸エステル類 (PhE) 11種及びアジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHA)を測定し,規制前と比較した.試験期間中の検出下限値は,フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)が 14.9 ng/g,フタル酸ジn-ブチル(DBP)が 18.6 ng/g であった.市販弁当中の各PhEの濃度は,DEHPが 45~517 ng/g(平均 198 ng/g),DEHAが不検出~90 ng/g,BBP が不検出~10.0 ng/g,フタル酸ジイソノニル(DINP)は1検体のみで検出され,その濃度は 76 ng/g であった.DEHP濃度は平均で前年調査時の22分の1に減少し,その他の化合物も減少した.DBPはすべての試料で不検出であった.

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© 2001 公益社団法人 日本食品衛生学会
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