日本医真菌学会雑誌
Online ISSN : 1882-0476
Print ISSN : 0916-4804
ISSN-L : 0916-4804
爪白癬
多様化してきたその治療法
福田 知雄
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 43 巻 2 号 p. 85-89

詳細
抄録

爪白癬の治療法はこの10年間で非常に変わってきた, あるいは, 多彩になってきたという印象がある.実際, この10年間で内服薬にイトラコナゾール, テルビナフィン, フルコナゾールが加わり, また, その投与方法についてもパルス療法, 短期内服療法など様々な工夫がなされてきた.内服だけではなく, 外用療法についても多くの工夫した治療法が報告されている.これら新しい治療法の多くは総じて有効率が高い.しかし, それぞれに短所も有しており, 必ずしも患者のコンプライアンスを十分に得られているとは言い難い.爪白癬の治療におけるドロップアウトも未だに多い.治療法の選択肢が増えてきた現在, 我々としては新しい治療法の長所と短所を十分に理解し, 患者の要望に則した治療法を選択することが今後は重要になると考えられる.

著者関連情報
© 日本医真菌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top