動物由来の皮膚糸状菌を中心に検討を加え,皮膚糸状菌群の生物学的及び系統学的性状を追究した.
まずわが国における皮膚糸状菌症の動物から起因菌を分離同定して菌相を明らかにすると同時にこれらの菌の生態学的特徴を解析した.次に完全世代の観点から菌種の分類同定の重要性を検討し,疫学的および生態学的意義を追究した.また主にキチン合成酵素を対象として分子生物学的検討も行い,各菌種菌株間の関連性を解析し,完全世代による生物学的分類と分子生物学的系統関係の相関性を考察した.