タウリンリサーチ
Online ISSN : 2434-0650
Print ISSN : 2189-6232
マウスにおける8週間の高脂肪食摂取に伴う肥満化が 肝臓および白色脂肪組織のタウリン合成能に及ぼす影響
髙橋 諄小峰 昇一宮﨑 照雄時野谷 勝幸今野 雅生永山 純礼大森 肇
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 5 巻 1 号 p. 52-54

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抄録

タウリン合成能は合成酵素であるCysteine Dioxygenase (CDO)および Cysteine Sulfinate Decarboxylase (CSD)の活性に依存する。慢性的な高脂肪食の摂取は肝臓および白色脂肪組織(White Adipose Tissue:WAT)におけるタウリン合成能に影響を及ぼす可能性が示唆されるが、いまだ不明な点が多い。本研究ではマウスにおける8週間の高脂肪食摂取に伴う肥満化が肝臓およびWATのタウリン合成能に及ぼす影響を検討した。3週齢の雄性C57BL/6マウスを通常食群と高脂肪食群に分けて8週間飼育した。高脂肪食群では体重、WAT重量が有意な高値を示し、耐糖能は低下した。CDO遺伝子発現量は肝臓、WATともに群間差は認められなかった。CSD遺伝子発現量は肝臓において高脂肪食群で有意に高値を示したが、WATにおいては高値傾向にとどまった。これらは23週間高脂肪食を摂取させた先行研究の結果とは異なるものであった。結論として、マウスのタウリン合成酵素の遺伝子発現量は高脂肪食摂取の期間により異なる可能性が示唆された。

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© 2019 国際タウリン研究会
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