1993 年 59 巻 4 号 p. 441-446
Pseudomonas glumae自然感染イネ種子の育苗中,催芽と出芽を30°Cの高温下で行うと,催芽時の幼芽に生存するP. glumae細菌数が著しく増加し,イネ苗腐敗症が激しく発病した。この時,幼芽に生存するP. glumae細菌数の増加と発病には相関が認められた。オキソリニック酸(5-ethyl-5,8-dihydro-8-oxo[1,3]dioxolo[4,5-g] quinoline-7-carboxylic acid,スターナ®)の浸種前と浸種後の浸漬処理は,催芽時の幼芽に生存するP. glumae細菌数の増加を抑制し,イネ苗腐敗症に対して高い防除効果を示した。しかし,幼芽に生存する細菌の増加が認められた後の処理である催芽後処理の防除効果は低く, P. glumae細菌数の推移も無処理と同様の傾向を示した。