2014 年 41 巻 3 号 p. 339-351
膵臓疾患の超音波検査には体外式超音波検査(ultrasonography: US)と内視鏡下超音波検査(超音波内視鏡検査)(endoscopic ultrasonography: EUS)がある.造影超音波検査には,造影剤を血管外(消化管など)に注入するものと血管内(動脈・静脈)に注入するものがある.前者は消化管を良好なacoustic windowとして膵を観察するという考え方で,US機器の進歩とともにその重要性が見直される必要がある.炭酸ガスマイクロバブルを経動脈性に注入する方法は,経静脈性に注入する造影超音波検査の出現とともに姿を消した.本邦でこれまでに使用された経静脈性投与の超音波造影剤はAlbunex®,Levovist®,Sonazoid®であるが膵疾患に対する造影超音波検査で用いられるものはほとんどがSonazoid®である.Sonazoid®を用いる場合にも,カラードプラ断層法・パワードプラ断層法などをベースにしたものとBモード画像(ハーモニックイメージング法)をベースにしたものがあり,用いる場合にはそれぞれにメリットとデメリットがあり,目的に応じて使い分けることが肝要である.