超音波医学
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特集「Role of ultrasonography in the evaluation of autoimmune pancreatitis」
自己免疫性膵炎の画像診断:コンピュータ断層撮影と磁気共鳴画像法
小川 浩竹原 康雄長縄 慎二
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2023 年 50 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)は,IgG4関連全身性疾患の膵臓表現型である.AIPが初めて文献に記載されて四半世紀になるが,その間にさまざまな専門分野の臨床医にその特徴的な画像所見が徐々に知られるようになった.AIPの画像診断にとってCTとMRIはとても役立つ画像診断法である.典型的な特徴としては,膵臓の局所あるいは全体のソーセージ様腫大(sausage-like swelling),主膵管貫通像(duct-penetrating sign),患部の被膜様構造(capsule-like rim),造影剤投与後の均一な遅延性濃染(homogeneous delayed enhancement)あるいは造影された膵管像,さらに全身性疾患として他臓器の併存病態を反映した特徴的複合所見が挙げられる.本総説では,MRを用いて測定される拡散,灌流,弾性率の特徴など,AIPの診断に役立つCTやMRIの最近の動向と今後について解説する.

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© 2022 公益社団法人 日本超音波医学会
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