2012 年 39 巻 6 号 p. 581-587
心エコー図検査における動画のデジタルファイリングは,コストが高いことや画像の容量が大きいことが難点として挙げられてきた.現在では,これらの問題点は克服されつつあり,心エコー画像はDICOM画像としてファイリングされ,電子カルテから閲覧するシステムが構築されている.さらに,超音波装置から出力されるDICOM-SRの標準化により,装置やメーカーに左右されることなく数値データをレポーティングシステムが受け取ることが可能となってきている.GE社製Xi2によるエコーファイリングシステムの構築では,院内の様々な部門におけるエコーデータのファイリングを行い,全ての電子カルテから動画を含むエコー画像およびレポートを閲覧することが可能となっている.さらに,本システム導入の利点として,検査時間の短縮,急性期データも含めたエコーデータの保存が可能,医療チームにおける情報の共有,患者に対する説明が容易であることなどが挙げられる.本システムの構築は臨床上非常に有用である.