1989 年 26 巻 5 号 p. 475-480
Stage IIIおよびStage IVを中心とした肺癌患者における末梢血NK活性及びIL-2産生能は, 年齢をマッチさせたコントロール群に比し有意な低下を認め, 免疫監視機構の低下が示唆された. 尚, OKTシリーズの諸指標については両群間に有意差は認められなかった.
肺癌患者において, 抗腫瘍多糖体 Schizophyllan を投与したところ投与前及び2週目投与後との比較において, NK活性は10例中8例で上昇を認めた. しかし, 4週目におけるNK活性には一定の傾向は認められなかった. なお, NK活性の変化とIL-2産生能の変とには相関がみられず, 少なくともNK活性の増加はT cell より産生されるIL-2の増加に大きく依存していないことが示唆された.