日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
肺癌症例における免疫学的検討
末梢血単核細胞画分, NK細胞活性, IL2産生能に関する検討
松瀬 健福地 義之助長瀬 隆英山岡 実駿田 直俊石田 喜義原田 信行鳥羽 研二折茂 肇
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1989 年 26 巻 5 号 p. 475-480

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抄録

Stage IIIおよびStage IVを中心とした肺癌患者における末梢血NK活性及びIL-2産生能は, 年齢をマッチさせたコントロール群に比し有意な低下を認め, 免疫監視機構の低下が示唆された. 尚, OKTシリーズの諸指標については両群間に有意差は認められなかった.
肺癌患者において, 抗腫瘍多糖体 Schizophyllan を投与したところ投与前及び2週目投与後との比較において, NK活性は10例中8例で上昇を認めた. しかし, 4週目におけるNK活性には一定の傾向は認められなかった. なお, NK活性の変化とIL-2産生能の変とには相関がみられず, 少なくともNK活性の増加はT cell より産生されるIL-2の増加に大きく依存していないことが示唆された.

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