北関東医学
Online ISSN : 1881-1191
Print ISSN : 1343-2826
ISSN-L : 1343-2826
解離性大動脈瘤を契機に発見されたクッシング症候群の1手術症例
五十嵐 清美飯野 佑一前村 道生高橋 徹堀口 淳武井 寛幸長沢 雅裕大木 聡坂元 一郎菅野 雅之石川 進横江 隆夫森下 靖雄
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 47 巻 5 号 p. 325-329

詳細
抄録

解離性大動脈瘤発症を契機に発見された副腎腺腫由来のクッシング症候群の1手術例を経験した.症例は高血圧加療中の44歳女性で, 突然の前胸部痛で発症し, 胸部CTでDeBakey I型の解離性大動脈瘤と診断された.保存的降圧療法による経過観察中に左副腎腫瘍を指摘され, 精査の結果副腎腺腫によるクッシング症候群の合併が判明した.まず上行大動脈置換術を先行し, 次いで6週間後に左副腎腫瘤摘出術を行い, ともに結果は良好であった.病理学的に腫瘍は良性の副腎腺腫であった.クッシング症候群に解離性大動脈瘤を合併した症例は極めて稀なことから, 若干の文献的考察を加えて報告した.

著者関連情報
© 北関東医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top