膵臓
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症例報告
通常型膵管癌との鑑別が困難であった膵神経内分泌癌の一例
酒井 新竹中 完池田 篤紀小林 隆塩見 英之増田 充弘有坂 好史岡部 純弘原 重雄全 陽東 健
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2017 年 32 巻 5 号 p. 829-835

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抄録

症例は73歳男性.膵体部腫瘤の精査目的で入院した.造影CTでは尾側膵管の拡張を伴う境界明瞭な30mmの乏血性腫瘤であった.EUSでは境界が明瞭,辺縁はやや不整で,内部エコー均一な低エコー腫瘤として描出された.膵神経内分泌癌が疑われたが,通常型膵管癌との鑑別が困難であった.同腫瘤に対してEUS-FNAを行い,小細胞型神経内分泌癌と診断した.MRIで肝内に多発する結節を認めたため,多発肝転移を伴う膵神経内分泌癌と診断し,Irinotecan+Cisplatinのレジメンで化学療法を行った.原疾患の進行のため,化学療法開始より6ヶ月後に永眠された.

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© 2017 日本膵臓学会
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