2006 年 47 巻 1 号 p. 16-21
症例は76歳男性. アルコール性肝硬変, 多発性肝細胞癌 (stage III) に対し動注リザーバーを留置し, CDDP静注併用5-FU持続動注化学療法 (CDDP 10 mg×2/week静注および5-FU 1000 mg/5 days動注, 4投1休を1クール) を施行した. 3クールで副作用にて投薬中止するも, AFPが160 ng/ml から9.4 ng/ml と著明な減少を認め, 画像上も多発性肝細胞癌の縮小, 一部消失し長期生存が得られている. CDDP静注併用5-FU持続動注化学療法が, 多発性肝細胞癌に対して有用であった1例を報告する.