2020 年 57 巻 3 号 p. 221-226
近年の腎移植患者の高齢化に伴い,フレイル・サルコペニア・低身体活動性を有する腎移植レシピエントが増加している.2018年に発刊された『腎臓リハビリテーションガイドライン』では,「腎移植患者における移植時のフレイル・低身体活動性は予後に影響する可能性がある」一方で,「腎移植患者において運動療法を実施することを条件付きで推奨する」と定めている.腎移植後レシピエントはステロイド内服下である点も含めて,CKD患者や透析患者とはまた違った特徴を有する.運動療法により運動耐容能やQOLの改善が見込めるため,安全に留意した腎移植後運動療法を実施していく必要がある.