看護理工学会誌
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原著
産後1ヵ月の女性の骨盤底筋力の実態および分娩に関する要因との関連性の検討
安宅 和佳奈岡山 久代内藤 紀代子
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2020 年 7 巻 p. 43-50

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抄録

産後1ヵ月の女性の骨盤底筋力の実態と分娩に関する要因との関連性を明らかにするため,産後1ヵ月の女性92 名の骨盤底筋力測定と分娩に関する要因の調査を行った.その結果,骨盤底筋の最大収縮力は0.74 kgf,最大収縮時間は3.29 秒で,骨盤底筋の随意収縮が困難な女性は9.7%,随意収縮は可能であるが持続収縮が困難な女性は17.4%存在した.産後1ヵ月の骨盤底筋力と有意な関連を示したのは妊娠前の尿失禁であり,その他の分娩に関する要因との関連は示されなかった.以上より,産後1ヵ月の骨盤底筋力を予測するためには,分娩時の要因よりも,妊娠前からの尿失禁の有無についての情報収集が必要であるといえる.また,産後には関連要因からのハイリスク群の予測に加えて,個々の骨盤底筋力の評価を行い,筋力に合ったケアを実施する必要があると考える.

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