西日本皮膚科
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症例
Plantar Fibromatosis と複数のケロイドの合併例 ―― 線維腫症の発生機序の考察 ――
中家 理紗三苫 千景高原 正和内 博史古江 増隆
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2017 年 79 巻 4 号 p. 357-360

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抄録

56 歳,男性。初診の 2 カ月前に,左足底に 12×10 mm の圧痛を伴う皮下結節があるのに気付いた。糖尿病歴はない。超音波像では,足底皮下に比較的均一な低エコー域がみられ,内部にやや輝度の高い隔壁を認めた。組織学的には,皮下組織に束状に配列する紡錘形細胞の増殖と膠原線維の増生がみられた。免疫組織化学染色では紡錘形細胞は α-smoothmuscle actin と muscle specific actin(HHF-35)で陽性に染色された。以上より,plantar fibromatosis と診断した。加えて自験例では,肩に 1 カ所,大腿に 2 カ所のケロイドがみられた。Plantar fibromatosis,別名 Ledderhose 病は足底の筋膜が線維性に増殖する疾患で,皮膚科からの報告は少ない。その病態,発生機序,ケロイドとの合併について文献的考察を行った。

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© 2017 日本皮膚科学会西部支部
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