2003 年 69 巻 3 号 p. 380-386
1999年6月から2000年5月の間,本古内湾で採集したアイナメ雌(標準体長170~460mm)の卵巣を組織学的に観察し成熟過程と成熟周期を調べた。成熟度は,未成熟期,油球期,卵黄球期,成熟期,産卵期,産卵終了期の6期に区分され,成熟に伴う卵母細胞組成と卵径分布の推移から,本種の卵発達様式は部分同時発生型に属すると判断された。また,成熟度の出現個体数組成の季節変化から,当海域における産卵期は11月から1月で,盛期は11月中旬から12月下旬であると推定された。