日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
歯周病の疾病認識を高める一方法に関する基礎的検討
横矢 康子辛島 宏美犬井 清孝宮澤 康宮下 元長谷川 紘司
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 30 巻 4 号 p. 1081-1088

詳細
抄録

歯周疾患は自覚症状に乏しいため, 有病者にあっても疾病認識に欠け, 病変初期における受診の機会を逸しがちである。今回我々は, 木製歯間部清掃用具を歯周疾患の病的認識を高める手段として応用できるのではないかと考え, 木製歯間部清掃用具による歯間部歯肉の炎症の診査と, 臨床において歯周組織の炎症の診査に用いられているBOP, PD, GI及びGCFとを比較検討した。さらに, 木製歯間部清掃用具による歯間部清掃効果について若干の検討を加えた。
その結果, 木製歯間部清掃用具による歯間部歯肉の炎症の診査は臨床において用いられている診査項日と関連が強く, 歯間部歯周組織の炎症を反映するものであることが臨床的に裏付けられた。また歯間部清掃用具としても有効であることが示された。木製歯間部清掃用具は今後疾病認識を高めると共に, 炎症を診査する簡便な用具としての有用性が期待される。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top