土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
中空ブロック型人工リーフでのサンゴ分布特性と物理環境要因の関係に関する考察
安田 誠宏尾崎 悠里中西 敬山中 亮一松下 紘資松本 範子髙野 向後佐藤 裕則岡本 玄洋
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 77 巻 2 号 p. I_919-I_924

詳細
抄録

 人工リーフは,環境影響を最小限に抑えつつ防災機能を発揮できる施設として評価されてきたが,積極的に好環境を創出することを期待された事例はない.沖縄県本部町浜崎海岸の人工リーフは,サンゴの定着・生育状況が周辺の人工構造物と比べて格段に良いことがわかっているが,周辺の同一水深帯にある被覆ブロックや消波ブロック等のコンクリート構造物にはサンゴが生育していない.本研究では,水深,水質等の環境条件に加え,構造物の物理的特性がサンゴの生育に効果を及ぼしているのではないかと考え,浜崎海岸の人工リーフにおいて物理環境調査を行った.流況および堆積物量とサンゴ分布の関係を分析した結果,下げ潮時と干潮時の速い流れにより懸濁物が堆積しにくい環境が創出されていることが,サンゴ生育と関係があることを示すことができた.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top