2015 年 71 巻 2 号 p. I_1405-I_1410
本研究では,「陸域-河口域・浅場-干潟域-湾域-外洋域」連成システムの枠組みの中で,沿岸海域における物理・化学・生物過程を総合的に把握し,高精度で定量的に評価・予測することが可能な統合型海域環境影響評価モデルを構築した.さらに,構築したモデルを多摩川河口・羽田空港周辺海域に適用することにより,新滑走路建設に伴う周辺海域への影響評価を行った.その結果,本モデルにより流況・水質環境に関する観測結果を高い精度で再現することができ,新滑走路建設に伴う周辺海域への影響として,多摩川河道内で塩分が低下する可能性があることなどが予測された.