2019 年 75 巻 2 号 p. I_127-I_135
立地適正化計画における居住誘導区域には,具体的な指定基準が示されているわけではなく,その判断材料や基準は各自治体に委ねられている部分がある.それは防災上の懸念を有するエリアも例外ではなく,災害リスクを有する区域の取り扱いについても自治体により異なる.本研究では居住誘導区域を指定した自治体を対象として,区域指定時における災害の危険性を有する区域の取り扱い方法について整理し,居住誘導区域指定の要点を明らかにすることを目的とした.本研究の結果,国の対応としては浸水想定区域の取り扱いについて,法や指針で定める必要性が示唆された.また自治体の対応としては,浸水面積や浸水深に応じた取り扱いを検討する必要性が明らかとなった.